綿(コットン)生地についてのお話

生地や道具

私が子供のころは、女性は夏になると「ムームー」をよく着ていました。
風通しが良くてとても涼しいデザインです。

今では住宅事情も変わり、暑さをしのぐためだけの洋服のデザインは少なくなりましたが、生地について言えば、吸水性、通気性、柔らかさはいつの時代も求められています。

今回は、そんな万能な生地の代表格である、「綿生地」についてお話します。

綿生地の特徴

綿(コットン)は、綿花からとれる最も一般的な天然繊維で、主にインド、中国、アメリカから輸入しています。日本国内では1970年代ごろには綿花を生産しなくなり、それ以降の輸入数は、他に代用できる繊維が出てきたために、減ってきているそうです。

とはいえ、綿の大きな特徴である
吸水性、通気性、保温性、柔らかさ は他に代えがたいものであり、
素材としてのバリエーションの豊富さ、洗濯のしやすさ、価格の手頃さ も、ありがたい要素です。

欠点は、しわになりやすく、洗濯で縮んだりすることです。

綿生地の種類

オックスフォード
2~4本の糸を引きそろえて手織風に織ったもので、比較的厚地で、インテリア小物、シャツなどに使われます。

ローン
薄手で透ける織物で、さらさらと上品な感じがあります。

ボイル
薄手で軽く折り目が透け、さらっとした感覚と適度の張りがあります。
夏服に向いています。

サッカー
織り方により布面の縦方向に波状の凹凸部分と平らな部分を表したもの。涼しげな縞と立体感が特徴です。夏物パジャマなどに使われます。

リップル
科学的加工によって、サッカーに似た外観を表したもの。

シーチング(天竺)
太い糸で平織に織った粗布で、薄手厚手がありますが、衣類用には不向きで、カバンなどの雑貨に向いています。

ブロード
たて糸をよこ糸の倍くらいの密度に織った平織りの生地。横方向にウネが走ります。適度な光沢があるので、大人用のシャツブラウスなどに使われています。

取り扱い注意点

綿生地は素材の特性上、洗濯による色落ちや縮みが避けられません。
昨今の上質な生地はそのようなことはめったにありませんが、念のために「水通し」することをお勧めします。

「水通し」は、生地を水に1~2時間ほど漬けて陰干しし、まだ少し湿った状態で生地がよれないようにアイロンをかけてください。

まとめ

生地の代表格である綿生地は、ハンドメイドをするのに欠かせない素材です。
現代は様々な色や柄、質感のちがう綿生地があります。
目的に応じた生地を上手く選んで、手作りを楽しんでくださいね。


参考:文化出版局「文化ファッション講座 婦人服Ⅰ」

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